※ ご注意 ※
最近、こちらの記事の内容を使った有料のドライフラワー制作講座が現れているようです。こちらでは無料で公開しているものですので、そういった講座情報にはお気をつけください。(2022/5/22 追記)
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こんにちは。achaです。
OvalHomePlanetという小さなドライフラワーのショップを運営して暮らしています。
梅雨に入ってからご質問がとっても多いので、
今回もドライフラワーについて書いてみようと思います。
今のところ、どこにも書いていないようなドライフラワーの変色のメカニズムなども交えながら解説しますよ✨(内容の引用・転載はご遠慮ください)
さて、私がドライフラワーを作る上で最も気をつけていることは、色鮮やかに仕上げることです。
ドライフラワーといえばくすんだ色、褪せて飴色になった色…と思われがちですよね。
でも、工夫して作ればとても色鮮やかなドライフラワーに仕上げることができるんです。
ちなみに私は色褪せてアンティークなカラーになったドライフラワーも大大大好きです。
ただ、「ドライフラワーでもこんなにキレイな色になるんだ!?」とお客さんに感動してもらえることが私の一つの喜びになっているし、「色鮮やかなドライフラワー」というのが私のお店の特徴になってくれるといいなと思っているので、今は日々ドライフラワーの発色や色もちについて研究を続けています。
ドライフラワーを作っても茶色くなってしまうのはなぜ?

家でドライフラワーを作っても、全部茶色になっちゃうのよね
というご意見、お店でもお客様からたくさんうかがいます。
ドライフラワーの色が茶色になってしまうのは何故なのでしょうか。
切り花を吊るすなどして乾燥させていくと、水分が徐々になくなっていきます。
そうすると、そのお花(植物)の細胞内部の組織が壊れ、その組織から出てきた酵素により色素が分解されたりポリフェノールが酸化したりして茶褐色になるんです。
また、乾燥中に細菌が繁殖して腐敗に近い状態になることもあります。

酵素や細菌のせいだったのね!
キレイなドライフラワーを作るコツ
色がキレイで鮮やかなドライフラワーを作るには、何よりもスピードが大切です。
ゆっくりと時間をかけてお花を乾かしていると、お花が完全に乾いてしまう前に上記の酵素により色が茶色くなってしまいます。
ということで、お花が劣化する前のキレイなうちにお花を乾かしてしまうのがとっても大事なんです。
酵素は高温になると変性して活性を失います。
植物を50〜60度の環境に置いてから(置きながら)乾燥させると、植物内の酵素は働けなくなってしまうので、特に色もちの良いドライフラワーに仕上がるんです。

酵素と熱変性は中学生の理科で習ったね!
ということで、色鮮やかで色もちの良いドライフラワーに仕上げるには、
高温になる環境で一気に乾かしてしまう方法が効果的ということになります。
「ドライフラワーの名前」300がよくわかる図鑑 [ 主婦と生活社 ]
ドライフラワーを作ってみよう
ドライフラワー作りには様々な方法があるのですが、
一番オーソドックスなのは「ハンギング法」つまりお花を逆さまに吊るして作る方法です。
私はどうやってドライフラワーを作成しているのかというと、ドライフラワー専用のヒーター付き乾燥機を2台並べて使っています。
ただこの乾燥機は残念ながら廃盤になってしまっていて、現在は販売されていません。
一度ヒーター部分が壊れ、似たような部品を取り寄せて自分で修理するなどしてなんとか現役で頑張ってもらってます😅
廃盤になった、しかも高額の乾燥機をオススメすることもできないので、ここではご家庭にあるものや比較的入手しやすい道具を使用したドライフラワーの作り方をご紹介します。
方法1:一万円以下で完成!布団乾燥機でドライフラワー製造機
ご家庭用の布団乾燥機と衣類乾燥袋を併用して速くキレイなドライフラワーを作成することができます。
雨の日は私もよく使っています!
+
一度に二倍乾かせる乾燥機もあるんですね。
※ ドライフラワー製造はメーカーの想定外です。あくまで自己責任でお願い致します。
方法2:冬場にエアコンの前に吊るす
冬場に温風の出るエアコンの前に吊るす方法です。
冬場は特に空気が乾燥しており、エアコンの温風を当てることでお花がとても速く乾きます。
方法3:浴室乾燥機を使う
浴室乾燥機をお持ちの場合は、そちらを活用することでお花を速く乾燥させることができます。
方法4:夏場に車の中に干す
夏場の車内はかなりの高温になります。
車内に1日干しておくだけでカリカリのドライフラワーが出来上がることが多いですよ。
吊るす時のコツ
上記1、2、3、4の方法に共通することですが、仕入れたお花にハリがない場合はまず水揚げをして元気な状態に戻します。
その後なるべく1本1本をバラバラにして間隔を空けて干すと良いでしょう。
また、余分な葉は取り除き、茎が長すぎる場合はカットするなどして少しでも速く乾くように工夫しましょう。
ちなみに私の経験上、乾燥し始め(1日目)にどれだけ水分を抜けるかで色鮮やかさに差が出る気がします。
除湿機で常に部屋の湿度を下げておくか、なるべく晴れて湿度の低い日に干して乾燥し始めるようにすると良いと思います。

洗濯物を速く乾かしたい時と同じように考えて工夫するといいのね
お花の種類によっては高温になることで色が悪くなってしまうものもあります。
エキノプス(るり玉アザミ)やスターチスなど、乾燥した部屋にただ吊るしておくだけの方がキレイに仕上がるものもありますので、まずは少量で試すことをオススメします。
梅雨時に気をつけること
梅雨の時期はジメジメしていて洗濯物も乾きが悪いですよね。
この時期はハッキリ言ってドライフラワー作りには向きません。。
実際、私は発色よくキレイに仕上がる1〜2月に一度にお花を仕入れておいて、夏はほとんど仕入れをしないようにしたりします。
でも、この時期にしか手に入らないお花もありますよね。
なのでやはり苦戦しながらドライフラワー作りをすることになります。
除湿機などで年中乾燥が保たれている部屋であればそれほど気にする必要はないのですが、
天気予報とにらめっこをして、なるべく梅雨の晴れ間の湿度の低い日に干せるように調整します。
そして完成したドライフラワーは湿度の低いところで保管すると長持ちします。
まとめ
キレイで色もちの良いドライフラワーを作るには、高温になる環境で一気に乾かしてしまう方法が効果的です。
乾燥の方法としては、
- 布団乾燥機・衣類乾燥袋を使用する
- 冬にエアコンの前に吊るす
- 浴室乾燥機を使用する
- 夏に車内に干す
などがあります。
また、干し始めの日によく水分が抜けるよう、なるべく湿度の低い日に干す(または湿度の低い部屋に干す)のがオススメです。
コメント
こんにちは。とても貴重な記事をシェアしていただきありがとうございます。お伺いしていいものか。。。なのですが、お花にもよると思うのですが、干すタイミングはお花がピークをちょいすぎたくらいが乾かしやすいのでしょうか?もし、お伺いできることでしたらお聞きしたいです。よろしくお願いいたします。
こんにちは!コメントありがとうございます♡
干すタイミングは、お花が一番元気でキレイなタイミング(ピーク)がいいですよ。お花がくたびれてきてからだと劣化のスピードが早いので、キレイに仕上げるのが難しいです。
ご返信頂きましてありがとうございます!
自分でも色々試してみます!ありがとうございました!
こちらこそありがとうございます♡試行錯誤も楽しいですよね!
おはようございます。
「キレイなドライフラワーの作り方」私は、浴室乾燥機で試してみようと思うのですが、時間はどのくらいかけたらいいでしょうか?
ご返信お待ちしてます。よろしくお願いいたしますm(_ _)m
コメントありがとうございます。時間は乾燥機のパワーとお花の種類によるのでハッキリ○時間とは言えないのですが、おそらく数時間では終わらないと思います。まる1日くらいはかかるかな?という感じです。
目安はお花がカサカサになったら終わり…という感じで、様子をみながらしていただけるといいかなと思います(^^)
もしハーバリウムやレジンに入れる場合はお花の中までしっかり乾燥させる必要があります。